コーカサスの虜

2003年8月3日
映画を観ました。レンタルで。
何度目でしょうか。

 これはロシアとカザフスタン共作で、原作はかの有名なロシアの文豪「トルストイ」の短編小説、チェチェン民族と旧ソ連の紛争がテーマです。トルストイの原作に忠実に沿って、しかし舞台は現在に置き換えられています。

 初めて観たのは確か高校か短大の時でした。日曜の午後に、NHKが映画を放送していたのです。もう一度観たいと思っていたら、アンコール劇場で放送していました(さすがNHK)。ビデオにも撮り、何度も何度も繰り返し観ました(その後短大の先生に貸したままになっている)。
トルストイの原作も読みました。

 ストーリーは、ロシアの若い兵と上官がチェチェンのゲリラに襲われ捕虜として村に連れて行かれる所から始まります。チェチェンの長老が出した捕虜の交換条件とは、ロシアに捕まった自分の息子を取り戻す事でした。
 若い兵と上官は、村で捕虜として生活してゆくうちに、チェチェンの人とのコミュニケーションを大切に思うようになります。
 しかし長老の息子はチェチェンに返される事なくロシア人に殺されてしまい、それを知った長老は激怒、捕虜の2人の運命やいかに・・・といった感じです。
最後はハッピーエンドではないです。

トルストイはいつか訪れる平和を願い、150年以上も前にこの作品を書き上げました。当時ソ連優勢とされていた世の中で、ソ連・チェチェン両方の立場に対等に立って書かれたのは非常に珍しいそうです。
月日が経ち、現代の設定で映画化されてももおかしくないほど、ロシアとチェチェンの問題がまだ終わらないこの事実は、何とも皮肉としか言い様がありません。戦争って何だろう・・・と考えてしまいます。

 しかし、この作品がロシアとカザフスタンによって映画として製作され世に出た事は、少なくとも
平和を願う人々の思いがあってからこそだと信じ、私はこの作品が非常に好きなのです。

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